元も子もありませんが、走りながら「何のためにこんなことしてるんだろう」と思う時があります(笑)。GPSアートを作る意味とは何でしょう。GPSアートは何に役立つのでしょうか?
今回はそんなGPSアートの意義について考えます。
GPSアートを描く理由
結論から言うと、シンプルに楽しいからです。
世界中で愛されラン、ライド関係なくGPSアートで遊んでいる人が多くいることはSNSを見れば簡単です。アウトドア専門媒体「OutdoorResearch」のスポーツコラムニスト・Brendan Leonard(ブランドン・レオナード)は自身の経験とジョークを交え、GPSアートがいかに賞賛を受けるかの興味深い統計図(下)を発表し話題となりました。
この図のように、動物の形になったランニングルートに多くの賞賛が集まる一方、通勤とマラソン大会がそれほど大差ない。そんな悲しいTLは実際に起こり得ます。それほど賞賛を受けるGPSアートだが、世界中で作品数や愛好家は多いとは言えません。それは下記の理由が考えられます。
GPSアートや作家人口が伸びない理由
ランニングやロードバイクはスポーツ愛好家に多いアクティビティーです。そこにアートの要素を取り入れたGPSアートはスポーツ会系の人々の目には異色に映ることでしょう。絵が苦手な人が大多数だろうし、絵が得意なら走らず家で絵を描いているからです。なぜ走りながらわざわざ絵を描かなくてはいけないのでしょう。それも自由に絵をのびのび描けるのではなく、道という解像度に筆致を制限され、たとえ絵が上手でもデッサン力を到底出せるものではありません。
その難度が生み出す特徴
油絵、水彩画、ペン画…。かつてこれほど制約のある画法があっただろうか。
- 自分の描きたい絵が描けない
- 絵を道に落とし込み、道に描かせる感覚
- 一筆描き
これらの作業にとても似たものがある。一つが折り紙。もう一つが星座だ。
折り紙は、思い描く通りの形に掘っていく彫刻とは全く違う、数学に近いアートだ。星座は、まず星ありきの創作で、当時の天文学は、何の関連のない星々を繋げ、神話に落とし込まなくてはならなかった。紙の繊細な性質や、ガチガチな信仰の制約のなかで生まれた。そして、永遠に残る文化となった。
GPSアートは地上の星座である
「永遠」はGPSアート最大の特徴といっても大げさではない。道路がこの先ずっと使われるように、GPSアートも地図の上で永遠に残る。地図、地理と深い関係をもつGPSアート独自の特徴がここにある。都市計画が進み街が整理され、リノベーションが進み道もどんどん変化するだろうが、星の移動のように、星座も残り、リセットされることはない。そしていつか神話になる。GPSアートは地上の星座になるだろう。
道がそれたので話を進めよう。
GPSアートが役立つケース
では実際、GPSアートが人々の生活に役立つ事例を考えてみました。これで、GPSアートは決してランナー個人が楽しむラクガキや遊び絵ではなく、社会や人々に役立っていることを知ることができ、あなたも今日から安心してGPSアートに取り組むことができるでしょう。
GPSアートが役立つ事例
- 地域活性化に
- 小学校などの自由研究に
- 実際のマラソン大会のコースに
- 大きな大会に落選したランナーの心の受け皿として
GPSアートの可能性
RUN忍ではGPSアートの大きな意義を感じていますが、その詳細についてはまとめて綴りたいと思います。